行政処分を弁護士に依頼するメリットと弁護士の選び方

医師や歯科医師などの医療者の方が刑事事件を起こしたり不正行為を行ったりすると、医業停止処分や免許の取消処分を受けてしまう可能性があります。

医業停止となれば、定められた期間は医師や歯科医師としてはたらけなくなってしまいます。免許を取り消されると再取得しない限り医師や歯科医師の仕事はできません。

行政処分を避けるため、早い段階から弁護士へ依頼しましょう。

今回は行政処分への対応を弁護士に依頼するメリットや医道審議会対策を依頼する弁護士の選び方の視点をご紹介します。

医業停止や取消処分が心配な方はぜひ参考にしてみてください。

1.行政処分対策を弁護士に依頼するメリット

医師や歯科医師が弁護士に行政処分対策を依頼すると、以下のようなメリットがあります。

1-1.刑事事件で罰金以上の刑罰確定を回避

医師や歯科医師が行政処分を受けるとき、多くは「刑事事件で罰金刑以上が確定した」ことが原因になっています。

罰金以上の刑罰には以下のものがあります。

  • 罰金刑
  • 禁固刑
  • 懲役刑
  • 死刑

刑事事件で罰金以上の刑罰を受けると、医道審議会で審議が行われて事案に応じた処分が適用される可能性があるのです。反対にいうと、刑事事件になっても罰金以上の刑罰を受けなければ行政処分を回避できます。

ただ、お1人で刑事事件への対策を行うのは困難でしょう。「医師なので罰金以上の刑罰を与えないでほしい」などと裁判官に言っても聞き入れてはもらえません。
罰金以上の刑罰を回避するには、刑事事件になった時点で早期に被害者との示談交渉等を開始し、検察官へ不起訴の申し入れをすべきです。不起訴になれば刑事裁判が始まらないので、罰金刑を受ける可能性はありません。
弁護士に刑事事件の対応を依頼すると、被害者との示談交渉や反省文の作成サポート、検察官への申し入れなどの必要な作業を行ってくれるので、刑事事件で罰金以上の刑罰を受けずに済む可能性が大きく上がります。
これにより、行政処分を回避できるのは大きなメリットとなるでしょう。

1-2.不利益な行政処分が下されないように活動してくれる

弁護士に行政処分対策を依頼すると、以下のような各場面において不利益な行政処分がくだされないように適切なサポートをしてもらえます。

個別指導への同席を依頼できる

保険診療報酬の請求方法について不審点があると、地方厚生局によって調査が行われます。
問題があるとみなされると「個別指導」の対象となり、そこでも疑義が大きいと監査が入ったり保険医の登録を取り消されたりするリスクが発生します。

医師や歯科医師によって、地方厚生局による個別指導対策は必須といえるでしょう。

弁護士も個別指導への同席を依頼すれば、自分では適切に弁明や説明ができなくても、弁護士が状況に応じて調査に対応します。結果的に不利益を受ける可能性が大きく低下するでしょう。
プロに個別指導への同席を依頼できるのは大きなメリットとなります。

監査への同席を依頼できる

医師や歯科医師の方は、保険診療期間や保険医の「監査」にも注意しなければなりません。
監査が入ると、多くの場合に保険診療機関や保険医の登録を取り消されてしまうからです。

監査が入るときにも弁護士への同席を依頼できます。
監査に弁護士が立ち会えば、弁護士から必要な主張をしたり資料や意見書を提出したりできるので、医師や歯科医師側に有利に手続きが進む可能性が高くなるでしょう。
精神的な支えになるメリットも見逃せません。

弁明や聴聞手続きへの同席を依頼できる

取消処分などの不利益な処分が行われるときには、本人に弁明や聴聞をしなければならないと定められています。
弁明や聴聞では、医師や歯科医師側が問題行動について責任が小さいことを説明したり、自分に有利になる事情を積極的に提出したりする必要があります。ただこういった手続き関係について詳しくない場合、具体的に何をして良いのか判断がつきにくい方も多いでしょう。

弁護士は弁明や聴聞の手続きに同席できます。
弁護士がついていたら当日適切な受け答えができるだけでなく、事前に主張書面や資料の提出などもしてくれます。

有利に手続きを進められるメリットがあるといえるでしょう。

書面を作成してくれる

医師や歯科医師が行政処分を受けるときには、さまざまな状況下で書面を提出できます。
たとえば検察官宛に不起訴申入書を提出できますし、個別調査の患者個別調書には弁明欄がもうけられていて、弁明や聴聞の手続きでも弁明書や説明書を提出できます。

ただお1人では何を書けば良いのか判断がつきにくいでしょう。
弁護士に依頼すると、医師や歯科医師の方に有利になるように書面を作成し、各行政機関へと提出できます。
これにより、結果が医師側に有利になる可能性があがるのも大きなメリットといえます。

1-3.労力がかからない

医師や歯科医師の仕事は激務です。普段の仕事に忙しく取り組みつつ、1人で医道審議会や地方厚生局、刑事事件などに対応するのは困難といえるでしょう。
弁護士に刑事事件や行政処分対策を任せてしまえば、ご自身ではほとんど何もする必要がありません。
労力と時間を削減できることも弁護士へ依頼するメリットとなります。

1-4.ストレスの軽減

医師や歯科医師の方が行政処分の対象となると、大変なストレスがかかるものです。
業務停止や取消処分のことを考えるだけで頭が痛くなり、不眠気味になってしまう方もおられるでしょう。
弁護士という専門家に悩みを共有すれば、気持ちも楽になるものです。
大船に乗った気持ちで対応できるので、ストレスを大きく軽減できるメリットがあるといえます。

2.弁護士に行政処分対策を依頼できる根拠の法律

医師や歯科医師などの医療者への行政処分根拠となるのは、行政手続法という法律です。
行政手続法では対象者に「代理人の選任権」を認めており、代理人は当事者のために一切の行為ができる、と定められています。

参考行政手続法16条 聴聞の手続きについて

前条第一項の通知を受けた者(同条第三項後段の規定により当該通知が到達したものとみなされる者を含む。以下「当事者」という。)は、代理人を選任することができる。

2 代理人は、各自、当事者のために、聴聞に関する一切の行為をすることができる。

3 代理人の資格は、書面で証明しなければならない。

4 代理人がその資格を失ったときは、当該代理人を選任した当事者は、書面でその旨を行政庁に届け出なければならない。

弁護士を依頼する権利は法律によって保障されているので、困ったときには早めに相談しましょう。

3.行政処分を依頼する弁護士の選び方

行政処分対策は、どの弁護士に依頼しても良いわけではありません。依頼できる弁護士は限定されます。弁護士業務の中でも医療者への行政処分対策は相当特殊なためです。
全国でも取り扱っていない弁護士事務所が多いでしょう。
また取り扱っていてもあまり詳しくなかったり経験が不足していたりするケースが少なくありません。
医療者の行政処分対策は、医師や歯科医師の行政処分に対して専門的な見識をもっている弁護士に依頼しましょう。

以下では行政処分を依頼できる弁護士の探し方や医療者の行政処分に詳しい弁護士の見極め方をお伝えします。

3-1.HPの内容をチェック

まずはインターネット検索で、弁護士を探しましょう。
全国で多数の弁護士がHPを公開していますが、中でも医療職の行政処分対策を専門分野として打ち立てている事務所は多くはありません。
「医師 取消処分 弁護士」「医師 医道審議会 弁護士」などのワードで検索してみてください。
名古屋など地域を限定したい場合、検索ワードに地名を足してもかまいません。

それだけでもずいぶんと候補がしぼられるでしょう。

3-2.HPの掲載内容、実績や創業年度をチェック

医療者の行政処分を取り扱っている弁護士事務所が見つかったら、HPを実際に見て内容をチェックしましょう。
医療者の行政処分の種類や手続きの流れ、対処方法など詳しく書かれている弁護士事務所であれば、信頼性があると考えられます。
これまでの実績や創業年度なども確認しましょう。新人の弁護士は経験がなくてもどのような事件も広く取り扱っているケースが多いので、あまりに創業年度の新しい事務所は外した方がよい可能性があります。

3-3.プロフィールや挨拶文などをチェック

弁護士のプロフィール文や挨拶文などの確認してみてください。
たとえば医師免許や歯科医師免許を取得している弁護士の場合、行政処分にも詳しい可能性があります。
それ以外にも医療職特有の事項に詳しい経歴や根拠があるなら、1度相談してみる価値はあるでしょう。

3-4.実際に面談して相性が良ければ依頼する

弁護士に事件対応を依頼する際には、HPの掲載文言だけで決めてはなりません。
必ず現実に面談を行い「信頼できる」と感じられてから依頼すべきです。
弁護士とは数か月以上の長い付き合いになるので、相性の合わない方に依頼してしまうとお互いが不幸な結果となってしまう傾向があります。

時間をかけてでも慎重に弁護士を選んだ方が、後に良い結果を得られて納得しやすくなるでしょう。

名古屋駅ヒラソル法律事務所は医療者の行政処分へ積極的に取り組みます
名古屋駅ヒラソル法律事務所は、全国でも少数な「医師や歯科医師などの医療者の行政処分」に積極的に取り組む弁護士事務所です。医療者の行政処分の過程で対応が必要となる、各種手続きに対処しています。

  • 行政処分の前提となる刑事事件対策
  • 個別指導や監査への対応
  • 医道審議会への対応
  • 弁明や聴取への対応
  • 行政処分への異議申し立てや取消訴訟

弁護士に依頼すると、助言やサポートを受けられて安心できますし、結果が有利なものとなるケースも少なくありません。

名古屋や東海地方はもちろん、全国からご相談を承っております。業務停止や取消処分が心配な医師や歯科医師、薬剤師などの方は、ぜひとも1度お気軽にご相談ください。

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